園長徒然記

2025年10月1日(水)

 NHK朝ドラ「あんぱん」が先月末終了しました。幼児のヒーロー“アンパンマン”の生みの親である漫画家やなせたかしさんをモデルにした柳井嵩(たかし)と妻のぶの物語でした。日本が戦争に突き進み、日中・日米等へと拡大し、ついには敗戦。そして戦後…価値観が逆転するほど激変する世間に翻弄されながらも、それぞれに逆転しない正義を求めて精一杯生きる姿とともに周りの人々との出会いと別れが感動的に、時に楽しく描かれていました。戦後30年ほどたったある日、一人の男性がたかしを訪ねてきました。たかしの同級生で戦友でもあった田川岩男の息子でした。父親の戦死の状況を教えてほしいと言うのです。岩男は、我が子同然に可愛がっていた中国人の孤児に撃たれて命を落としたのでした。「なぜ父は殺されなければならなかったんですか?」と問う岩男の息子に、たかしは「それが戦争なんだよ」と答えるだけでした。戦後80年の今年、戦争の不条理、悲惨さを思い、平和の尊さを子ども達に伝えなければと思ったことです。合掌(『園だより』より)