園長徒然記

2023年2月1日(水)

 先月、NHKクローズアップ現代でいわゆる「不適切保育」が取り上げられていました。今や社会問題化している感がありますが、元同僚が撮影した食事の遅い子どもを立たせて突き飛ばす保育士の映像には衝撃を受けました。子ども本人がどれほどの恐怖を感じたか背筋が凍る思いがしました。この問題の背景として日本総研の池本美香氏(子ども・女性政策の専門家)は“待遇”と“閉鎖性”を挙げられていましたが、本質的には“児童福祉”の心の欠如もしくは軽視が原因だと私は考えています。番組のなかで「幼稚園は教育施設、保育所は預かり施設」とか「親のための保育」という言い方が何度か使われていましたが、余りにも認識がお粗末過ぎます。保育は「養護と教育」であり、保育所は「児童福祉施設」なのです。子どもの幸せを第一義に求め、子どものためにならないことはしない、そしてそのことによって親を支えていくことを使命とするのが保育者なのです。合掌(『園だより』より)