園長徒然記

2018年10月1日(月)

 私は食べることが大好きです。食品スーパーには好んで行きます。デパ地下も大好きです。買い物するときには、賞味期限を確認して日付の新しいものを購入しています。奥の方から探り出すこともしばしばです。こんな日常生活の裏側で、大きな問題が起こっていることを教えられました。先日、朝日新聞に「食品ロス(食べられるのに捨てられてしまう食品のこと)」の記事が載っていました。日本では年646万㌧(平成27年度推計)の食べ物が捨てられているそうです。製造過程での規格外品、小売店での売れ残りや期限切れ、また飲食店や家庭での食べ残しなどが主な原因です。このうち家庭で発生する食品ロスの量は289万㌧で、一人あたり毎日お茶わん1杯分の食べ物を捨てている計算だそうです。環境省の啓発パンフレットには「4人家族の1世帯は毎年約6万円相当の食品を捨てている」と書かれています。言うまでもないことですが、私たちは食べ物を食べて生きています。食べ物とは、生きたものです。ですから、食べるとは、生きた他のいのちを我がいのちにすることと言ってもよいのではないでしょうか。他のいのちが私を生かし支えてくれているのです。このことに気づかせていただくとき、他の諸々のいのちが我がいのちとして生きてくださっていることに感謝し、いただいた“いのち”の分まで大切に生きて行くことこそ、生きることの本分だと思うのです。『食育』の究極目標も、ここにあると思っています。合掌(『園だより』より)